自分史レポート|こちら制作室
自分史を書くとき、避けて通れないのが「子供時代」の扱いです。誕生や成長の過程に一切触れない自分史は存在しません。けれども、あまりに細かく書きすぎると冗長になり、読む人は途中で疲れてしまいます。
そこで今回は、子供時代をどのくらいの分量で、どんな切り口で描けばよいのかについて、実践的なポイントを整理します。
記録としての意義と、読物としての魅力、その両立を探っていきます。
自分史は「資料」でもあります。本人が何をどう感じたかはもちろんですが、後世にとっては、暮らした時代や地域の風俗を知る重要な手がかりとなります。特に、戦後の教育環境や地域社会の特色などは、本人にとってはありふれた日常でも、研究者や子孫からすればかけがえのない証言です。
そのため、以下のような事実は簡潔にでも記録しておく価値があります。
これらを数段落でまとめるだけでも、自分史は「読み物」を超えて「記録」としての力を持ちます。
子供時代を単調に羅列すると、どうしても退屈になります。そこで、物語としての伏線を意識すると効果的です。 のちの人生で大切な出来事につながるエピソードを、子供時代の章に散りばめるのです。
例えば次のような書き方が考えられます。
単なる「思い出」ではなく、後の展開につながる布石として配置すると、読者は物語を追うように先へ進みたくなります。
全体の分量に占める子供時代の割合は、おおよそ1~2割が目安です。もちろん決まりではありません。重要なのは、後の人生を理解するうえで必要な情報を残すことです。
エピソードが後半の展開を支えるなら厚めに描写してよいし、関係が薄ければ数行で済ませてもかまいません。「なぜ描くのか」を自問しながら取捨選択するのが理想です。
また、人生の前半と後半を対比させる構成にするのも有効です。子供時代の純粋な気持ちが、大人になって社会に出たときどのように変化したかを示すことで、ドラマ性が際立ちます。
子供時代を描くときに重要なのは、読者の存在を常に想定することです。 家族や子孫だけでなく、かつての同級生や地域の人々が読むこともあります。知らない読者が手に取る可能性もゼロではありません。
そのため、相手を傷つける表現や過度な誇張は避け、事実と感情をバランスよく並べることが求められます。読者の立場に立ち、「なぜこの話を残したいのか」を明示すれば、無駄を省きつつ読みやすい記述になります。
さらに、写真や図表を挿入して当時の雰囲気を伝える工夫も効果的です。文字だけでは伝わらない空気感を補い、読者の理解を助けます。
子供時代の描写を物語性重視で簡潔に収めた場合、詳細な記録を巻末にまとめる方法があります。本文では流れを重視し、注釈や資料的な部分は巻末に整理するのです。
具体的には次のような形式が考えられます。
こうすれば本文は読み物としてのテンポを維持でき、同時に研究的・資料的価値も確保できます。 読者は物語として楽しみたい人と、事実を詳しく知りたい人、両方のニーズを満たすことができるのです。
子供時代の描写は、記録と物語の両輪で進めるのが理想です。要点を簡潔に記しつつ、後の人生に響く出来事を伏線として描く。そのうえで、詳細は巻末に集約する。この三段構えが最も合理的です。
整理すると次のようになります。
自分史における子供時代は、その人らしさが最も表れる部分です。華やかな成功談ではなくても、そこにある日常の小さな記録こそが読者の心に響きます。
長編原稿プラスでは、取材を通じて一人ひとりの物語を深掘りし、冗長にならず、それでいて温かみのある自分史を仕立てています。「どのくらい書けばいいのかわからない」「記録と読み物のバランスが難しい」という方は、ぜひ代筆の力を活用してください。
「長編原稿プラス」は、代筆専門「さくら作文研究所」の運営する原稿作成代行サービスです。「本を出したい」「自分を表現したい」――その想いは万人の根底にあるもの。小説のゴーストライティングを専業としていた時代から培った『原稿力』を駆使し、原稿作成と自費出版のサポートで、みなさまの夢の実現に力を尽くします。
代筆家。 鹿児島出身。広告制作を経て文章クリエイティブに携わり、2010年に小説代筆専門「小説代理原稿連合会」を設立。2014年にフリーランスとなり、「さくら作文研究所」をはじめ数々の代筆ブランドを運営する。手紙・スピーチなど短文原稿の他、小説・自分史等の長編原稿を手掛け、400件以上の受注実績を持つ。著書に『読ませる個人史のつくりかた』『創作系ゴーストライターのつくりかた』『落語随想 八世可楽解釈』などがある。
ゴーストライティングのために書影をご紹介できないのが残念でなりません。
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