お手紙作成・書式作法
誰でも手紙が書けるように
お手紙に書式作法が存在することは、ありがたいことです。
一定の作法に従えば、誰でも「恥ずかしくない・無粋でない・無知をさらけ出さない」お手紙を、とりあえず形にすることができるからです。
基本的にお手紙は「頭語・前文・本文・末文・結語・付記・後付け」で構成されています(縦書きの場合)。以下に簡単な例を示しましょう。
- 頭語 拝啓・謹啓など(後述)
- 前文 時候の挨拶・気遣いの文章
各所のWEBサイトに解説されているので、検索してください。 - 本文
用件です。基本的に「さて」と「つきましては」で構成されます。
「さて」で相手に状況をのべ、「つきましては」で行動喚起します。
「さて」「つきましては」を、そのまま用いる必要はありませんが、あれば手紙の骨格が分かりやすくなるでしょう。
行動喚起に条件があり、本文中に書くと冗長になる場合、結語の後に「付記」を配置して記載することもあります。 - 末文
しめくくりの部分。「略儀ながら」「末筆ながら」など、基本的に定型です。内容にあわせて作文します。 - 結語
頭語と紐づけられている言葉。敬具・謹白など - 付記
相手に求めた行動喚起で条件がある場合、ここに記します。 - 後付け
文面をしたためた日付、差出人と宛名。
手紙の頭語結語
頭語結語の種類や用法は、他のWEBサイト上に例示されていますので省きますが、一般的には以下の3つを覚えておけば、ほぼ問題はありません。
- 一般的な手紙
拝啓-敬具(敬白) - 目上の方への手紙
謹啓-謹言(謹白・敬白) - 返事の手紙
拝復-敬具
女性はこれらを文章で伝えても良いことになっています。
- 一般的な手紙
一筆申し上げます-かしこ - 目上の方への手紙
謹んで申し上げます-かしこ
人口に膾炙するこんな頭語結語もあります。
- 親しい人への手紙
前略-草々
前略は、「前文を略します」の意で、失礼を承知で、と断っています。
さくらライティングではお手紙ご依頼で「前略」は用いません。
なぜなら、失礼と分かっていてそれを用いるのは、失礼の上重ねでしかないからです。
お客様からご用命が無い限り、親や兄姉、親戚への手紙でも使いません。
上から下、つまり親から子供、兄姉から弟妹の間では使ってもよさそうですが、代筆依頼されるお手紙は、ほとんど謝罪や揉め事の和解で、出す側に下手(したて)に出なければならない理由があります。
たとえ上から下への手紙でも、前略をお勧めできないのは、そのためです。
手紙代筆は心理戦
作法に則れば誰もが礼儀正しく用件を伝えられることは、お分かりいただけましたか?
作法は不変ですが、実地には戸惑うことも多いようです。
「転居しました」
「転職しました」
「子供が産まれました」
こういうお手紙はまだよいのです。せいぜい「お祝いは無用です」など、相手の善意を押しとどめる言葉ををどのように入れるか気を使うくらいです。
厄介なのは、謝罪、お詫び、謝罪プラスお願い、物を売ってくれ(譲ってくれ)、警告……つまり、人間関係の拗れです。
こういった手紙には目的があります。
「許してほしい」
「何かをしてほしい」
「何かをやめてほしい」
手紙を通して、相手に何らかの変化を迫っています。
手紙を出す側は、目的達成のために、読み手に何をどのように伝えるか、考えなければなりません。
言葉で相手の感情をコントロールし、よい結果を引き出そうと苦心します。
ここまでくると、日頃から手紙を書きなれている人でなければ、難しいでしょう。
専業で手紙代筆を行うライターのノウハウを活用することは、時間的にもクオリティ的にもコストが見合う賢い選択といえます。
些細なことでもお尋ねください。
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