文章はうまいのに原稿が平凡になる4つの理由｜「読者に届く」設計視点

文章は褒められる。言葉の使い方にも自信がある。
それなのに、いざ原稿としてまとめると「悪くはないけど、印象に残らない」と言われてしまう。
この違和感に悩む方は少なくありません。
本稿では、文章力と原稿力の本質的な違いをひもときながら、なぜ「うまい文章」が評価されない原稿になってしまうのか、その原因を4つの視点から探ります。

◆このページのコンテンツ

構成が「伝わる順」ではない

文章を書くとき、人は自然と「自分が思いついた順」に書いてしまいます。
しかし原稿に求められるのは「読者に伝わる順」です。
思考の筋道と読者の理解順序にはズレがある。そのズレが、「伝わらない原稿」を生む要因になります。

たとえばエッセイなら、読者は冒頭で「何について語られるのか」を期待します。
ところが書き手が情景描写に夢中になりすぎると、主題が後ろに回ってしまう。
文章としては綺麗でも、読者の興味はつながりません。

原稿は「テーマ → 展開 → 感情や結論」の順で構成する意識が必要です。
この設計を意識するだけで、同じ内容でも格段に読みやすくなります。

視点が「自分軸」に偏っている

「うまく書けた」と思えるときほど、自分視点が強くなっています。
しかし、読者はその裏側の意味や、自分ごととして感じられるかどうかを重視します。

良い原稿には“読者との距離感”がある。
言い換えれば、自己満足で終わらせない「共感導線」が設計されているのです。

エピソードを語るときも、「私はこう思った」ではなく「こんな場面を見たあなたなら、どう思うか」を織り込む。
そうすることで、文章は単なる報告ではなく、読者を巻き込む体験になります。

感情の起伏が抑え込まれている

文章力のある人ほど、感情をコントロールしようとします。
無意識に「抑制された美しさ」を目指してしまうのです。
しかしそれが、原稿として読むと「静かすぎる」印象を与えることがあります。

読者が惹かれるのは、振れ幅のある感情です。
原稿では「揺れ」こそが読者の関心を引き込む装置になります。

静かな筆致の中に、「戸惑い」「怒り」「期待」「あきらめ」など、感情の強弱をにじませてください。
その波が、原稿に“体温”を宿します。

読後に残る「問い」や「余韻」がない

うまい文章は結論も整理されており、きれいに閉じます。
でも原稿では「閉じすぎ」ると印象が薄くなります。

読後に「何かが残る」原稿は強い。
その「残るもの」は、答えではなく問いだったり、想像の余地だったりします。

たとえば、「これはこういう話です」と言い切らずに、「あなたならどう考えるか」と一歩引く。
それだけで、読者の思考は余韻に導かれます。
文章上手な人こそ、余韻を設計する技術を取り入れると原稿は格段に変わります。

まとめ：文章力と原稿力のあいだにあるもの

文章上手な人が原稿でつまずくのは、才能や技術が足りないからではありません。
文章の「構築方法」が違うからです。
読者の脳内で自然に「伝わる」流れを設計できれば、文章力はそのまま“原稿力”に昇華されます。

整った言葉より、読者の心に届く設計。
もしあなたが、書いた原稿の反応に悩んでいるなら、構成・視点・感情・余韻の4つを見直すことから始めてください。

「文章はうまい」と思えるあなただからこそ、原稿はもっと良くなる。
そのための視点を、私たち「さくら文研」が一緒に探ります。

代筆業務運営者について

文章代筆さくら文研

文章代筆・原稿作成代行さくら文研＜さくら作文研究所＞は、様々なタイプの文章作成を代行する代筆専門サービスです。2014年の創業以来、文書作成の専門性を活かし、法人様・個人様を問わず、日本全国から寄せられる文章作成のご用命にお応えしてまいりました。
お手紙・各種作文・スピーチなど身の回りの原稿代筆から、自分史・オリジナル小説など長編原稿のゴーストライティング、企業の広告宣伝・コンテンツ作成などコンセプト企画まで、何でもご相談ください。

→さらに詳しく【事業概要】へ。