冒頭15秒でスピーチ挨拶は決まる―聞き手の心を一瞬で掴む技術

スピーチや挨拶の第一声は、単なる導入ではありません。それは、聞き手の興味を点火する導火線。冒頭15秒で惹きつけられなければ、その後の内容がどれほど優れていても伝わりません。

本稿では、「つかみ」の設計に悩む人へ向けて、プロの代筆家が活用している具体的手法と考え方を紹介します。

◆このページのコンテンツ

人の集中力は最初の数秒がピークと言われます。スピーチや挨拶の場では、自己紹介や謝辞のような定型文が多く、聞き手の注意が薄れるのも早い。だからこそ、冒頭で「えっ？」と思わせるひと言が必要です。
聞き手の感情を動かすことが、記憶に残るスピーチの共通点です。

効果的な“つかみ”には型があります。すぐに応用できる主な手法を以下に紹介します。

これらは単体でも有効ですが、組み合わせて使うとさらに効果的です。例えば、ギャップ＋物語、問いかけ＋数字など。

逆につかみ損なう冒頭もあります。「本日はお忙しいところ……」といった慣用句の羅列や、自己紹介を延々と語るのはNGです。個性がなく、誰が話しても同じ印象になります。聞き手の耳が素通りしてしまう導入は、避けるべきです。

自分で考えてもなかなか決まらない。無難な挨拶に落ち着いてしまう。そう感じたら、スピーチや挨拶のプロに代筆を依頼するのも一つの手段です。伝えたい中身はそのままに、聞き手を引き込む構成で書き上げる。それが「さくら文研」の得意分野です。あなたの声が、確実に届くための原稿を用意いたします。

何の集まりだったか失念しましたが、来賓の話者が登壇し、みながが傾聴姿勢に入ったのに、話者はすぐに話し出そうとしません。ニコニコして聴衆を右から左へツーっと眺め、満足そうにうなずいただけで、なぜかドッと笑いが起きたことがありました。

これはこの人物が日頃からこの集団で「気さくな人」として知られていたからできたトリッキーな演出ですが、まさに中島敦『名人伝』にある「不射の射」ですね。

落語界の名人といわれる三遊亭圓朝の戒名は「無舌居士」、噺家なのに舌がない――つまり喋らずとも話芸の達人だったという一つの表現です。

ねじり鉢巻きで机に向かい、「さあ、スピーチ原稿を書くぞ！」と意気込むと、つい「どんな言葉を」「どんな文句を」と、言葉を費やすことばかり考えがちです。
いかに間をおくか、語らずに伝えるかという見方も、覚えておいてください。

些細なことでも結構です、お気軽にご相談ください。